腕がない、
 というのはかなり辛い。
 まるで自分の存在自体を否定されているようで、
 唯一の存在価値を奪われてしまったようで。

 確かに実際そうなのだから、始末に終えない。





 求





 あんなに嫌っていた醜い腕。
 押し付けられた使命。
 それなのに、取り上げられると欲してしまう。
 ないものねだりの小さな子供みたいだ。

 この心もとない不安は迷子になった時とよく似ている。
 養い親が見つからない。仲間の姿が見当たらない。

 ――家に帰りたい。
 そう。家を持ったことなどないのに、家に帰りたいと思うのと本当によく似ている。帰りたい。あの場所へ。『あの』元へ。

 あそこが僕のいるべき場所。

 その自覚は確信に変わった。
 打ち滅ぼす者、クラーヂマン、破壊者。そんな肩書きは取って付けたようなもの。『エクソシスト』でさえ、『彼ら』の元にいるための理由付けだったのかもしれない。

 焦りしかない。
 腕がない。武器がない。彼らと対等でいるための武器が。
 戦場に帰りたい。
 早く、早く帰りたい。あの場所へ。戦いの渦中へ。





END.