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いつの日も笑顔で ライブラリー 02
「えー、お集まりいただきましてありがとうございます。まあ委員会として集まっているわけではないので挨拶は程ほどに」 シェスカはカウンター内から椅子だけを持ってきて、そう言った。
ソファが一つしかないため、座り心地のいい場所に収まれる人数は限られていた。ラッセルは早々にいつも教師が座っている定位置に着き、エドワードもデスクに追いやられた。結局、さっきまでエドワードが惰眠を貪っていたソファに座っているのはウィンリィとアルフォンスとフレッチャーだった。
「で、夏休み中に蔵書整理を行う予定になっているんですけど、それについて皆さんの意見を聞きたくて。本当はファルマン先生もいてくださればよかったんですが、今日は職員会議なので不在です」
「シェスカー前置き長すぎ。つまりね、ここもそろそろコンピューター管理にしたらどうかって話なのよ。貸し出しはパソコン使ってるけど、根本的な管理はまだ目録みたいなの使ってるの。だから夏休み中に蔵書全部にバーコード付けて、棚番も振り直して、整理できれば本を探しやすくなるでしょ」
エドワードが手を挙げる。 「別に今のままでも不便はないけどな。大体ここの蔵書全部なんて、夏休み中だけでそんな大掛かりなことできるのかよ。多分ここに三万、そっちの部屋にある昔の本で二万くらいあるぞ」 不便がないと言うエドワードに、アルフォンスがため息をつく。 「だめだ。兄さんは無自覚でファルマン先生やシェスカ先輩と同じ類だった」
「エド、お前らみたいな人間中心に考えるな。先生は本の内容や場所を大まかに頭に入れているし、先輩は読んだ本を全て記憶できる。おまけにお前は読書バカでこの図書室だけじゃなくて街の図書館でも本屋でも自分の読みたい本がどこにあるか分かっているだろう」 「うん」
「『うん』じゃない。フレッチャー、図書委員として周囲の意見をまとめると?」 「『読みたい本があっても本が多すぎてどこに何があるか分からないし、図書委員の人に聞くのも気がひけるし、かといって自分で探すのは面倒くさい』 エドワード先輩、図書室をあまり利用しない人はこういう感じなんです」 「うーん?」 一応頷くものの、エドワードがどこまで分かっているのかは怪しいものだ。
「兄さん、委員会が考えているのは普通の利用者のことなんだよ。図書館と違って、図書委員に多くを求めることはできないし、この学校にはまだ司書を置く予定はないし。もし仮に司書がいたって、実際に本の貸し出しを行うのは普通の生徒だから、コンピュータ化しようってなるのはある意味当然なんだよ。管理をコンピューター管理できれば、ウィンリィがレファレンス機能を作ってくれるって言うし」
「れふぁれんす?」 「簡単に言えば利用者のために本を探したり、目的にあった本を紹介したりするお手伝いのこと。兄さんも市立図書館でよく「こんな本はあるか」「新しい本入ったか」とか調べてもらうでしょ、あれもレファレンスの一つだよ」
「もちろん委員会でそれと同じことはできないから、あたしが考えているのはパソコンを使った検索ツールね。タイトル、作者、キーワード単語とかを入力して、それに合った本を棚番まで調べられるようにするの。市販のソフトを使ってもいいんだけど、試作品があるからそれを改良して……」 ウィンリィの瞳が輝いてきたのを見て、一同は話を先に進める。
「さっきエドワード君が言ったことですけど、確かに蔵書が多過ぎて夏休み中に全部はできないかもしれないです。だから利用者がほとんど、というかエドワード君くらいしかいない資料室の古書類は後回しにして、とりあえずこの部屋の本だけでもバーコード化できないかなと思って」
「僕は後々のことを考えればバーコード化した方がいいと思います」 「ボクもフレッチャーの意見に賛成。貸し出しや返却の手順も少なくなって仕事が楽になるだろうし。やっぱり毎年委員が入れ替わることを考えれば、作業は簡略化できた方がいいよ」
以降はとんとん拍子に話がまとまり、シェスカは委員会に提案することにした。
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